樹脂はなぜ寸法が出ない?現場で起きる原因と対策【芯出しが精度を左右する】

樹脂加工で「図面通りに作っているのに寸法が出ない」という問題は、決して珍しくありません!
むしろ現場では、「一度でピタッと合う方が少ない」と言ってもいいレベルです。
この原因は単純な加工ミスではなく、材料・加工・測定が複雑に絡み合って起きています。
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樹脂の基本的な寸法安定性(熱膨張・吸水など)についてはこちらの記事で詳しく解説!
この記事では一歩踏み込み、現場で実際に起きているズレの正体を解説していきます!
寸法が出ない原因は「ズレの積み重ね」
樹脂加工で寸法が出ない理由は、ひとつではありません!
寸法が出ない主な原因
- 芯出し(工具・主軸)のズレ
- クランプによる変形
- 加工中の熱膨張
- 内部応力の解放
- 測定タイミングの違い
加工のどこかでわずかに発生したズレが、最終的に数値として表に出てきます。この中でも特に影響が大きいのが「芯出し」と「固定方法」!
この2つがズレていると、どれだけ丁寧に加工しても精度は安定しません…
芯出しのズレが見えない誤差を生む
まず最も重要なのが芯出しです。
工具や主軸の中心がわずかでもズレていると、加工中にブレが発生…このブレは目視ではほとんど分かりませんが、実際には常にズレながら削っている状態になります…!
その結果、仕上がった製品は「一応寸法内に見えるが、測るたびに数値が変わる」という状態になります。
金属であれば問題にならないレベルのズレでも、柔らかい樹脂ではそのまま精度に影響が出る…
現場ではどう調整しているのか
このズレを防ぐために、現場では芯出し調整を徹底します!
- ダイヤルゲージで振れを測定
- 工具位置の微調整
- 原点位置の補正
ダイヤルゲージで回転時の振れを確認し、工具の位置を微調整しながら、できるだけ中心に近づけていきます。
この地味な作業が最終的な精度を大きく左右する!
【動画】芯出しによる精度の違い
文章だけでは伝わりにくい「わずかなズレの調整」が、実際にどのように行われているかを公式YouTubeで確認できます!
固定の仕方ひとつで寸法は変わる

加工中は合っているのに、外したらズレる…?
次に見落とされがちなのが、加工時の固定方法です。
樹脂は金属と違って柔らかいため、強く締めるだけで簡単に歪みます。この状態で加工すると、その歪んだ形のまま削ることに…
そしてクランプを外した瞬間、元の形に戻ろうとして寸法が変わります。
これが「加工中は合っているのに、外したらズレる」という現象の正体です!
特に薄い部品や細長い形状では、この影響が顕著に出ます。
加工中と加工後で寸法が変わる理由
もう一つ大きな要因が「温度」です。
加工中は摩擦によって熱が発生し、樹脂はわずかに膨張します。この状態で寸法が合っていても、冷えると収縮して数値が変化!
現場では、加工直後ではなく、少し時間を置いてから測定するなどの工夫をしています!
削った瞬間に歪む「内部応力」
樹脂材料は、見た目では分からない内部応力を持っています。
このバランスが、加工によって崩れることで、削った瞬間にわずかに変形します。特に削り量が多い場合や、片側だけ加工する場合は注意が必要!
「図面通りに削ったのに形が変わる」という現象は、この影響によるもの!
測定タイミングでも結果は変わる
意外と見落とされるのが、測定のタイミング!
加工直後の温かい状態と、完全に冷えた状態では、同じ部品でも数値が変わります。さらに、測る人や測定方法が変わるだけでも結果に差が出ます…
そのため現場では、測定条件を揃えることも重要な管理項目になっています!
寸法を安定させるために現場でやっていること
主な対策
- 芯出しの徹底
- クランプ方法の最適化
- 荒加工→仕上げ加工
- 温度・測定管理
- 材料選定
ここまで見てきたように、樹脂の寸法ズレは複数の要因が絡んでいます!そのため、対策も一つではなく、工程全体で調整していきます。
例えば、最初に荒く削って材料の歪みを出しておき、時間を置いてから仕上げる方法があります。また、固定方法を工夫して変形を最小限に抑えることも重要!
さらに、芯出しや測定の精度を上げることで、ばらつきを抑えていきます。
つまり設備ではなく「段取りと管理」で精度を作っているのが実態!
よくある誤解
樹脂でも金属と同じように±0.01mmは普通に出せますか?
結論から言うと、条件が揃えば可能ですが、常に安定して出すのは簡単ではありません…!
樹脂は熱や湿度の影響を受けやすく、加工中と加工後で寸法が変わることがあります。さらに、クランプや内部応力の影響も重なるため、同じ加工をしても結果にバラつきが出やすいのが特徴です!
そのため現場では、単純に機械の精度だけでなく、芯出し・加工条件・測定タイミングを含めて管理することで、ようやく安定した精度を出しています。
「出せるか」ではなく、「安定して出し続けられるか」が重要です!
最新の加工機を使えば寸法は安定しますか?
機械の性能は重要ですが、それだけで解決する問題ではなく…
実際の現場では、寸法ズレの原因の多くが工具の芯出し・固定方法・加工条件など「段取り」にあります。
どれだけ高性能な機械でも、芯出しがズレていればブレは発生しますし、クランプで歪めばそのまま加工されてしまいます…
精度を決めるのは設備ではなく 段取りと調整の精度です!
公差を厳しく指定すれば精度は上がりますか?
むしろ逆効果になるケースもあります…
樹脂は環境や条件によって寸法が変化しやすいため、過度に厳しい公差を設定すると加工現場では無理な調整が必要になります。
その結果、再加工や不良のリスクが上がり、コストや納期にも影響が…重要なのは「必要な精度」と「実現可能な精度」のバランスです!
公差は厳しければ良いのではなく、適切であることが最も重要です!
測定値が合っていれば問題ないですか?
測定値が一度合っていても、それが安定しているとは限りません!
例えば、加工直後の温かい状態で測定すると寸法が大きく出ることがあります。その後冷却すると収縮し、最終的には公差外になるケースもあります。
また、測定するタイミングや方法が変わるだけでも数値は変動します。
重要なのは「その時の数値」ではなく時間が経っても変わらないかどうかです!
図面通りに加工しているのにズレるのは加工ミスですか?
必ずしも加工ミスとは限りません!
樹脂加工では、図面通りに削っても内部応力やクランプの影響で加工後に変形することがあります。
つまり、「加工時は正しいが、完成時にズレる」という現象が起きる…!
この場合、原因は加工技術ではなく設計条件や加工方法の選定にあることが多いです。
樹脂加工では、図面通り=そのまま完成品になるとは限らないという前提で考えることが重要!
まとめ|寸法が出ないのは現象でありミスではない!
樹脂加工で寸法が出ないのは、特別なトラブルではありません!
材料の性質上、「ズレが発生する前提でどうコントロールするか」が重要になります!
もし設計段階で「この寸法は本当に出るのか?」と迷う場合は、加工側の視点を入れることでトラブルを防ぐことができます!
お問い合わせ・ご相談の流れ

「この寸法は出るのか?」
「この形状で問題ないか?」
といった段階でも、加工現場の視点が重要です!
滝本技研工業では、設計段階からのご相談にも対応しています!お気軽にお問い合わせください!
お問い合わせ
- お問い合わせ
- まずはお問い合わせフォーム、またはお電話にてご連絡ください!
図面がある場合は添付いただくと、よりスムーズにご案内できます。
「この寸法は出るのか?」「この形状で問題ないか?」といった段階でも問題ありません!
- 内容の確認・ヒアリング
- いただいた内容をもとに、加工可否や注意点を確認いたします。
必要に応じて、用途や使用環境などを簡単にヒアリングさせていただきます。
この段階で、加工上のリスクや改善点があればお伝えします。
- お見積り・ご提案
- 加工方法や条件を踏まえた上で、お見積りをご提示します。
単に価格を出すだけでなく、「より精度が安定する方法」や「コストを抑える形状」などもあわせてご提案します!
- ご発注・加工開始
- 内容にご納得いただけましたら、ご発注となります。
その後、社内で段取りを行い、加工を開始します。
- 検査・納品
- 加工後は、寸法や品質を確認した上で納品いたします!
ご希望があれば、検査内容についてのご説明も可能です。
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