樹脂加工の寸法設計入門|管理すべき寸法・緩めてよい寸法とは?

この寸法、公差を厳しくすべき?

すべての寸法に厳しい公差を与えれば安全、と思われがちですが、樹脂加工ではその考え方がコスト増・寸法不安定・量産トラブルの原因になります!

本記事では、樹脂加工の実務事例をもとに、「管理すべき寸法」と「緩めてよい寸法」を明確に分け、設計段階で迷わない判断基準を解説します!

公差を厳しくすると起きる典型的な問題

樹脂加工で公差を厳しくしすぎると、以下のような問題が起きやすくなります!

  • 温度・湿度変化で寸法が簡単に外れる
  • 試作は問題ないが量産で寸法が安定しない
  • 再加工や手直しが増え、コストが膨らむ
  • 図面通りなのに組み付かない

これは、樹脂材料が金属と比べて寸法変動要因が多いため!

関連記事

樹脂加工で公差を厳しくしてはいけない理由|設計段階で知るべき5つの落とし穴

樹脂加工で公差を厳しくしてはいけない理由|設計段階で知るべき5つの落とし穴

樹脂加工で公差を厳しくすると、寸法不良・コスト増・量産不安定の原因に… 金属との違いを踏まえ、設計段階で知るべき公差設定の考え方と失敗例を解説!

「重要寸法」と「非重要寸法」を分ける考え方

樹脂設計では機能に直接影響する寸法、多少ばらついても問題ない寸法を明確に分けることが重要!

公差設計の基本は「全部を管理すること」ではなく、管理すべき寸法を絞ることにあります!

機能に直接影響する寸法

まず最優先で管理すべきなのが、部品の機能に直結する寸法です!

機能に直接影響する寸法一例

  • 回転や摺動に関わる寸法
  • 位置決めや精度に影響する寸法
  • 安全性に関係する寸法

    これらは公差を緩めることで、性能低下や不具合につながります。

    相手部品と関係する嵌合寸法

    軸と穴、溝とキーなど、相手部品と組み合わさる寸法は、管理対象として重要です!

    特に樹脂では、温度差・吸水・経時変化を考慮した設計が求められます。

    動作・摺動・シールに関わる寸法

    摺動部やシール部は、わずかな寸法差でも性能に影響します。

    一方で、金属と同等レベルの公差を指定すると、加工・検査コストが跳ね上がるため、必要十分な範囲を見極めることが重要!

    軸径・穴径(嵌合部)

    • ベアリング部
    • シャフト嵌合部
    • ガイド部

    これらは寸法が合わないと、ガタ・固着・異音の原因になります。

    位置精度が必要な穴ピッチ・基準面

    複数部品の位置関係を決める穴ピッチや基準面は、相対精度が重要!

    絶対寸法よりも、基準からの位置精度を意識した公差設計が有効です。

    組付け精度に直結する寸法

    組立時に位置決めされる面や、相手部品と面接触する箇所は組付け不良を防ぐため、管理対象になります。

    外形寸法・全長

    外形や全長は、多少の寸法ばらつきがあっても機能に影響しないケースが多く、過度な公差管理は不要です!

    肉盗み・逃げ形状

    軽量化や加工性向上のための形状は、厳密な寸法管理を行う必要はなし!

    見た目や強度に影響しない寸法

    機能・組付け・強度に関係しない寸法は、一般公差で十分な場合がほとんどです。

    単品では重要でも機能に影響しないケース

    単品図面では重要に見えても、組立全体では影響が小さい寸法も存在します。

    相手部品側で吸収できる寸法

    相手部品に調整機構や逃げがある場合、厳密な管理が不要になるケースもあります。

    すべての寸法に公差を入れるべきですか?

    いいえ!

    樹脂加工では、管理すべき寸法を絞ることで、品質とコストのバランスが取れます!

    管理寸法は何箇所くらいが適切ですか?

    部品規模にもよりますが、機能に直結する数箇所に限定するケースが一般的です!

    樹脂加工では、公差を厳しくすることよりも、どの寸法を管理するかを明確にすることが重要です!

    設計段階で迷った場合は、加工前の相談が最も確実なトラブル回避策になります!

    関連記事

    樹脂加工で寸法が出ない原因とは?図面通りなのにズレる理由と設計対策!

    樹脂加工で寸法が出ない原因とは?図面通りなのにズレる理由と設計対策!

    樹脂加工で「寸法が出ない」「時間が経つとズレる」原因を実例ベースで解説!反り・ねじれ・吸水・公差設定など、設計段階で防ぐための具体策を紹介します!

    滝本技研工業では、材料特性や加工限界を踏まえた実務的な判断が可能です!

    設計段階での相談により、過剰品質やコスト増、再設計などのトラブルを未然に防ぐことができます!

    お問い合わせ

    お問い合わせはこちらから!