樹脂加工の寸法設計入門|管理すべき寸法・緩めてよい寸法とは?


この寸法、公差を厳しくすべき?
すべての寸法に厳しい公差を与えれば安全、と思われがちですが、樹脂加工ではその考え方がコスト増・寸法不安定・量産トラブルの原因になります!
本記事では、樹脂加工の実務事例をもとに、「管理すべき寸法」と「緩めてよい寸法」を明確に分け、設計段階で迷わない判断基準を解説します!
すべての寸法を管理する必要はない!
公差を厳しくすると起きる典型的な問題
樹脂加工で公差を厳しくしすぎると、以下のような問題が起きやすくなります!
- 温度・湿度変化で寸法が簡単に外れる
- 試作は問題ないが量産で寸法が安定しない
- 再加工や手直しが増え、コストが膨らむ
- 図面通りなのに組み付かない
これは、樹脂材料が金属と比べて寸法変動要因が多いため!
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「重要寸法」と「非重要寸法」を分ける考え方
樹脂設計では機能に直接影響する寸法、多少ばらついても問題ない寸法を明確に分けることが重要!
公差設計の基本は「全部を管理すること」ではなく、管理すべき寸法を絞ることにあります!
管理すべき寸法とは?
機能に直接影響する寸法
まず最優先で管理すべきなのが、部品の機能に直結する寸法です!
機能に直接影響する寸法一例
- 回転や摺動に関わる寸法
- 位置決めや精度に影響する寸法
- 安全性に関係する寸法
これらは公差を緩めることで、性能低下や不具合につながります。
相手部品と関係する嵌合寸法
軸と穴、溝とキーなど、相手部品と組み合わさる寸法は、管理対象として重要です!
特に樹脂では、温度差・吸水・経時変化を考慮した設計が求められます。
動作・摺動・シールに関わる寸法
摺動部やシール部は、わずかな寸法差でも性能に影響します。
一方で、金属と同等レベルの公差を指定すると、加工・検査コストが跳ね上がるため、必要十分な範囲を見極めることが重要!
厳しい公差が必要になる代表的な寸法例
軸径・穴径(嵌合部)
- ベアリング部
- シャフト嵌合部
- ガイド部
これらは寸法が合わないと、ガタ・固着・異音の原因になります。
位置精度が必要な穴ピッチ・基準面
複数部品の位置関係を決める穴ピッチや基準面は、相対精度が重要!
絶対寸法よりも、基準からの位置精度を意識した公差設計が有効です。
組付け精度に直結する寸法
組立時に位置決めされる面や、相手部品と面接触する箇所は組付け不良を防ぐため、管理対象になります。
緩めてよい寸法の代表例
外形寸法・全長
外形や全長は、多少の寸法ばらつきがあっても機能に影響しないケースが多く、過度な公差管理は不要です!
肉盗み・逃げ形状
軽量化や加工性向上のための形状は、厳密な寸法管理を行う必要はなし!
見た目や強度に影響しない寸法
機能・組付け・強度に関係しない寸法は、一般公差で十分な場合がほとんどです。
判断に迷いやすい寸法の考え方
単品では重要でも機能に影響しないケース
単品図面では重要に見えても、組立全体では影響が小さい寸法も存在します。
相手部品側で吸収できる寸法
相手部品に調整機構や逃げがある場合、厳密な管理が不要になるケースもあります。
よくある質問(FAQ)
すべての寸法に公差を入れるべきですか?
いいえ!
樹脂加工では、管理すべき寸法を絞ることで、品質とコストのバランスが取れます!
管理寸法は何箇所くらいが適切ですか?
部品規模にもよりますが、機能に直結する数箇所に限定するケースが一般的です!
まとめ|公差設計は「管理する寸法を決める」ことが重要!
樹脂加工では、公差を厳しくすることよりも、どの寸法を管理するかを明確にすることが重要です!
設計段階で迷った場合は、加工前の相談が最も確実なトラブル回避策になります!
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